お食い初め料理の基本とその5つの方法
日本古来の風習は現在、簡略化されたり、省かれるようになったり、変わった形式になって残っていたりしていますが、その中でもお宮参りとお食い初めの儀式は延々と変わらず儀式として残っているものですし、恐らくこれからも残っていくものでしょう。
それは出産・育児が、人類にとって永遠に変わらない一大事業であり続けるからですし、その思いを如実に表現できるのがお宮参りとお食い初めの儀式に他ならないからです。お宮参りを通して天地の神様に生まれたことを報告し、一緒に祝福してもらい、お食い初めの儀式を経て人類の仲間入りをすることを認めてもらえるのです。
特に生後100日目ぐらいに歯が生え始めたころにするお食い初めの儀式は、歯が生えて人類の仲間入りができる喜びを料理を通して皆で分かち合う大きな意味があるものです。
方法1.基本を押さえる
最近は祝い方も多種多様になってきて、家庭ではなく、お店で祝いの席を設けたり、家で赤ちゃんの両親だけで好きな料理を並べてお祝いしたりすることもありますが、基本は家で穀物、一汁三菜と鯛の尾頭付きの料理、歯固め石の7種を揃えて年長の祖父母から順番に赤ちゃんに食べさせていくものです。
穀物は赤飯、白いご飯でも栗ごはんでもいいです。一汁は蛤や鯛の吸い物、季節によっては筍や松茸でもいいです。三菜は煮物、酢の物、香の物などを用意して、鯛の代わりに海老でも構いません。
歯固め石は小石のような硬いものでも食べられるぐらい丈夫な歯を赤ちゃんが授かるよう願いを込めて、箸の先を歯固め石につついて、その箸を赤ちゃんの歯茎にそっとつけるという儀式のためのものです。
元々は地元の神社の境内で見つける小石を使って、儀式が終われば境内に納めたものらしいですが、石の代わりに紅白の餅か勝ち栗でもいいです。食器は本格的には漆器の食器を使います。これらはあくまでも基本であって、その通りにしなければならないものでは、当然ありません。
一番大切なものは、とにかく気持ちです。赤ちゃんをお祝いしたい気持ちが一番大切です。同時に、お食い初めは日本に昔から伝わる儀式でもあるわけですから、こういう機会を通して昔の人が行った儀式の基本を知るのも意味があることでしょう。知った後は、自分のできる範囲でお祝いすればいいと思います。
方法2.参加する人の意向を聞く
お食い初めのやり方は地域によっても違いますし、祖父母のやってきたやり方もあるでしょう。料理も決まっている場合もあるでしょう。
赤ちゃんの両親だけではなく、両方の祖父母に参加してもらう場合は、最初にやり方とか、料理の内容を尋ねましょう。産後、まだ体調が万全でない場合もありますから、それを相手に伝えてからがいいと思います。祖父母に甘えてもいいと思います。とにかく、意向を聞いてください。
方法3.オリジナルな料理を加える
基本が分かったうえならば、その家庭オリジナルな料理を加えてもいいでしょう。赤ちゃんのお母さんの得意な料理、お父さんの好きな料理、赤ちゃんに好きになってほしい料理を加えてみましょう。
両方の祖父母にも食べてもらってほめられるかもしれません。自分たちも後で記憶に残るでしょう。
方法4.料理の写真をとっておく
今は、写真を撮ることは日常茶飯事になっていますが、赤ちゃんができるとどうしても赤ちゃんが中心になってしまって、回りの情景を撮ることを忘れることがあります。
特に1人目の赤ちゃんの場合は、そういう傾向が強いです。しかし、お食い初めの場合は料理も主役です。料理の写真は忘れずに撮ってください。後で思い返すときに役に立ちます。思い出として残す貴重な資料になります。
方法5.できれば二人目以降も同じようにお祝いをする
1人目のときには躍起になってお祝いした時も、二人目以降は熱の入れ込み方が弱くなるような気もします。未来の人類の誕生ですから、できれば1人目のときと同じようにお祝いしてください。
1人目は本格的な漆器を使ったけれど、二人目は離乳食のお皿でやる、それでも何の遜色もありません。お祝いする気持ちがあればいいのです。厳密にいうと、お食い初めという儀式をしてあげたくなる気持ちがあればいいのです。
まとめ
初節句、七五三、成人式と儀式は続いていきますが、赤ちゃんにとって人類になる最初の儀式であるお食い初めは、赤ちゃんにとっても親にとっても意味の大きいものです。
祝う気持ちを料理などを通してどう表現するか、その表現の仕方を昔のやり方や祖父母のやり方、あるいは地域のやり方などを通じて自分たちのやり方を模索して見つけていってほしいと思います。
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